娯楽三昧

迷宮式娯楽三昧・全年齢版

二ヶ月ぶりに家を出た

テレワークになって家から出る機会がメッキリ減った。気がついたら二週間家からでてないなんてザラである。そしてこの夏、気づいたら一ヶ月経っていた。
そんなときにふと脳裏をよぎったのが、

「これ……ワンチャン二ヶ月引きこもりの実績を解除できるんじゃね?」*1

というわけで追加でもう一ヶ月引きこもってみた。

二ヶ月引きこもってみての感想……

*1:そんな実績はない

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おまえは今すぐGhost of Tsushimaで伝説となれ

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結論から言うとGhost of Tsushimaはマジで傑作だったので早急に購入し優勝を越えて伝説となれという話をします。

何故ならこれはプレイできる時代劇としての現時点最高峰である。名誉ある死を奪われた侍が修羅の道に落ちていく様とスニークアクション、このストーリーとシステムが完全にあわさることで現代的なゲームシステムに侍を落とし込むことに大成功しているからだ。
侍が好きだから、日本文化が好きだから……だけではなく、日本の精神性や文化を尊重したうえでモダナイズされたお話を展開しているのである。


巷では気軽に「トンデモ日本」や「これでは侍ではなく忍者」、「所詮は海外が作った日本文化」と揶揄されることもあるが、それこそ「トンデモ」言説であると断言できる出来だ。ゲーム性とテーマ、コンセプトを無視し「リアルじゃないから」と批判するのは容易い。リアルは殴り棒として優秀である。リアルはお手本なのだ。けれど、リアルを殴り棒にする人間は、総じてリアルに寄せることが正しいかどうかに無頓着である。


日本刀で銃弾を切る人間が出ていたら「現実じゃありえないw」と茶々をいれるのか? 人型ロボットを見れば「こんなの動く的w」と言うのか? ウルトラマンを見て「街を一番壊してるのはコイツじゃんw」と言うのか? まったくもってナンセンスだ。


日本人は近代ヨーロッパと中世ヨーロッパの区別が付かない。中世ヨーロッパには国という意識は国民にはなかったそうだし、日本人が「中世か?」と言うときは大概はより未来の事案を参照している。Web小説ではナーロッパと揶揄される独自のヨーロッパ観が共有されている。


だが、それでいいのだ。


リアルを見たければノンフィクションを見ればよい。自分たちが見たいのは面白いフィクションであり、ありえない出来事だ。窓からうんこを捨てる西洋文明なんて見たくないから部分的に不採用にするし、後世の文化だけどあった方が見栄えがいいから採用する。それでいいのだ。


その観点でいえば、Ghost of Tsushimaは現実のリアルではなく、作中世界観におけるリアル(リアリティレベル)を完全にコントロールし、物語を始め、着地させた。当人たちは自覚のうえでだ。
スタッフは日本文化を調べ、そこに自分たちのやりたい、そしてこちらの見たいものをトッピングした。トッピングの理由付けも作中でおこなった。それがすべてだ。そこに現実はベンチマークとして介在する余地はない。


本題は、このトッピングの仕方の秀逸さである。
ゴーストオブツシマでは、対馬の地頭である志村家の甥として育てられた男、境井・仁が主人公である。両親を失いながらも伯父に育てられ、将来は志村から家督を継ぐことを期待された、光り輝かんばかりの道を進む侍である。
だが、彼は蒙古との戦で大敗し、志村は虜囚の身となり、自分ひとりが戦場で生きながらえてしまった。しかも、夜盗に助けられるという形でだ。


正々堂々とした戦いでの死は誉れである、といった価値観で生きていた仁は、しかし自分が死んでしまえば伯父を助ける者がいなくなる事実に直面する。対馬も蒙古に征服されてしまう。
これまでどおりの戦いではいられなくなった仁は、自分を助けた夜盗・ゆなの提案のまま、蒙古兵を背後より暗殺する……。


こうして、侍が卑劣な手段を用いることで日陰の道へと落ちていく導線が実に見事。


さらにシステム上での後押しも素晴らしい。

ゴーストオブツシマでは一騎打ちというシステムがあり、戦闘状態にない敵陣に一騎打ちを仕掛けることで一対一の戦いをおこなうことができる。一騎打ちでは敵を一撃で撃破することが可能で、最大3人(後半は装備により5人)まで連続で斬り捨てられる。
耐久力は無視で即死なので、序盤のうちは積極的に一騎打ちで敵を殺すことができる。誉れある侍としての戦いを続けることができるのだ。

しかし、中盤にさしかかれば敵はどんどん強くなる。一騎打ちの際にフェイントをかける、単純に素早い攻撃で敗北する、と一騎打ちの難易度が高まる。一騎打ちとは実力比べであり、実力が伯仲すればするほど勝つのは難しくなり、かつ一対一でも負けるかもしれない相手軍団とひとりで戦わねばならない……。

そんな窮地に立たされて、ついに直面しなくてはいけないのが暗殺だ。そして、これは人数制限のない即死行動である。


強敵がいれば誘き寄せて暗殺し、建物の中に入っては暗殺し、敵の集まりがあれば爆弾を投げ込み一網打尽にする。
最終的には、一騎打ちの有効性は変わっていないのに、プレイヤーもそれを使うことがなくなってくる。そんなときにストーリー上で仁は、偉大なる人物にこう言われるのだ。


「それは誉れある戦いではない」
「夜盗だ」


と……。
このバランス調整とストーリー展開のリンクが見事であり、没入感のある濃厚な時代劇を最後まで堪能することができた。
さらに、敵を殺しているのだからよい、誉れなど浜で死んだわ! と思う我々プレイヤーに対しても、アンチテーゼ、行動の代償を突きつけてくる様も無情感があり大変によいものだった。


さらに海外では忍者が大人気だが、忍者を最後まで名前すら出さないのがすばらしい。そのうえで暗殺をする仁の行動自体に忍者的な要素をくわえることで、侍系でありながら忍者の要素も盛った「日本時代劇見たいモノ全部乗せ」を実現したのだ。


真面目な侍像、手段を選ばぬ侍像、どちらも立て、落とさない。これは文化への敬意、挑戦心、知識がなければ間違いなくできぬものである。そこに冷笑的な現実にはこんな武士は……などといった指摘が入り込む余地はない。この世界は時代劇で、こういった種類の侍のいる世界であることを前提にしているのだ。この前提条件を読めないならもはや再現Vか大河ドラマでしか時代劇を楽しむことは不可能だろう。



ストーリーは面白く、システムは接近戦から暗殺まで申し分ない。装備によっては弓だけで敵陣を全滅させるプレイから気力の回復効率を上げて次々斬り捨てる、音もなく暗殺していく、といった自由度も高い。
グラフィックは現代における最高峰であり、オープンワールドでありながらどこを切り取っても綺麗な濃密さ。
狐や鳥に導かれて目的地に到達する雅な要素から、短編時代劇を見ているようなサブクエストに、写真を撮りたくなってしまう機能満載のフォトモード。


なにもかもが高水準でまとまった、色物ゲームに見えるガチのソフト。
それがGhost of Tsushimaだ。


発売十日でトロコンしてしまうようなオープンワールドゲームは、後にも先にもこのゲームだけの気がする。
ハイクオリティな日本の風景を冒険できるオープンワールド時代劇Ghost of Tsushimaは、時代劇を知らなくともジャンル自体に興味を持ってしまいたくなるほどの傑作である。

ステイホームなこの夏は、Ghost of Tsushimaで対馬に行こう。
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【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)

【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Video Game
Ghost of Tsushima Launch Edition(輸入版:北米)- PS4

Ghost of Tsushima Launch Edition(輸入版:北米)- PS4

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Video Game

日本最古のインスタグラマー境井仁のススメ【Ghost of Tsushima】

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自撮りのお悩みあるところ!
インスタ侍ただいま推参!!!


Ghost of Tsushima、面白い以上にフォトモードが話題ですね。自分もフォトモード起動してる時間の方が長いかもしれません。
しかしながらフォトモード、国産ゲームにはほとんど搭載されていません。そのため、話題になったから購入したはいいもののフォトも撮り方がわからない……。とガッカリしてしまう人もいるでしょう。っていうかアサクリやってるときの自分がそうだった。

昔はフォトモードなんて搭載されている意味がわからなかった……。

……がっ!!!

なんとなくコツを掴むと途端に写真が楽しくなる!!!

というわけで、フォトモード完全初心者向けの簡単にクオリティを高くする講座記事です。


これが…………
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こうなる!!!
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そんなお手軽技です。

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オタクは9割間違う? 感想の書き方

オタク一般人の感想で一番の違いといえば、自分の趣味に対して技術的な言及をすることじゃないですか?

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たとえば一般人なら音楽を聴いて「これ好き~~~」と「わかるぅ~~~~」と言うけど、ちょっとオタクの毛がある人なら「このバンドのギタリストの高速連弾すき~~~~~」とか技術に対して言及し始めるし、そうでなくても「このスリーピースバンドの耳に突き刺さるような高音好き~」とか対象を具体化(細分化)して明確にしていきますよね。

「これすき……」しか言えないとか本当に好きなの? 感情と感覚でしか判断できないって流してるだけじゃない? 語彙力足りなさすぎない? 解像度低すぎない?

好きなだけではダメ、どうしてそれが好きなのか具体的に言いたい。あるいは詳しくなって結果的にそうなってしまう。
それがオタクあるあるだと思います。

……が!





本当に大丈夫!?





それ……ただの知ったかぶりおじさんになってない!?





それが本当に自分の言及していいことか判ってやってる!?




昔のインターネットは詳しい、好き者がやっていたものですからコンテンツが絞られ、結果的に正しく技術言及がされていたかもしれません。
大学やディスカッションなど一定の知識があり、受容側と供給側の所属分野が同じ場合も大丈夫でしょう。

ですが現代のインターネット人口は多種多様な人間にあふれ、その結果、知識量も立場もカオスになり、人の表面的な「技術に言及しているかっこよさ」を模倣する人々で溢れかえってしまいました。
9割が見た目だけを真似です。

これが9割の人が感想を間違う元凶です。




そして言うだけで恥を掻く言及というものがあります。
インターネットで感想をつぶやくとき、あるいは伝えるとき、これだけは抑えておきましょう!!

  • 創作技法について触れる
  • 作者を語る
  • まとめ:嘘ない感想の書き方
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【NG】なぜ死印の良さは消えたのか

switchでNGをクリアした。前作死印の出来に実家のような安心感を覚えて今作も購入したのだが、端的に言ってしまえば前作にあった良さはどこに消えてしまったのか、って感じである。
かくやちゃんと大人の遊びをしたいすぎるだけで値段分の価値はあったので別に損したとか評価が殊更低いというわけでもないのだが……。

なんでこんなにNGが怖くなくて死印は怖く、面白く感じたのか。
自分の中のホラー感を見つめ直すとともに、怪異の書き方ってどうするのが良いのかの雑感を列挙してみる。

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【THE LAST OF US PART Ⅱ】ゲームで物語る事の意義を突きつける傑作

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The Last of Us Part2をクリアした。エンドロールを眺めているときの気分は諦観や切なさを想起させられて、いっそ穏やかと言っても良い気分だったが、その心境でラストを迎えられたのも、このゲームによって30時間の間胸ぐらを掴み続けられた経験があったからだ。

この旅を見届けろ。ぴったりのフレーズだった。

最後まで見届けずにレビューや評論などできようわけがない。酷評する言葉はいくらでも思い付く。

陳腐何度も見てきた見知った類型の物語

ラスアスは1の頃からそうで、物語の内容自体にエポックメイキングな何かがあるわけではない。きっとプレイ動画を見た人間には「ふーん良い話じゃん」「面白いね」くらいの気分で受け取ったものもいるだろう。



黙れって感じだ。




ラスアスの凄まじいところは、プレイヤーをゲーム体験を通して作中世界にのめり込ませる技巧だ。映画的な作品ではなく、映画の中に引き摺り込む。インタラクティブメディアであるゲームでしか体感させることのできない感動を教えてくる、まさにゲームシナリオの意義はここにあるのだと言わんばかりの内容。

それがラスアスの魅力である。


ラスアス2も、ハッキリいって要素だけ見れば安易に映るだろう。


復讐者だの、
敵にも家族がいるだの、
すべての人間に物語があるだの……


お説教くさく、そんなのは凡百の作品で語られ尽くした。SNSでは「○○は復讐を望んでいない!」という発言にたいして復讐を正当化する大喜利が飛び交う。

復讐は正当で、相手に家族がいるのも知っていて、でもこの欲望と感情という真実を貫くことこそモダンだ。



本当に?



本当に理解しているのか?



知識として知っていただけなんじゃないか?



ただの頭の中のお遊びでしかなかったんじゃないか?



このゲームを始めたとき、俺は確かに「復讐してやる」と思った。被害者面した連中をぶっ殺すのが楽しい……とは言わないまでも、「これはそういう物語を楽しむゲームなのだから、その趣旨に乗ってやろう」と思った。


だけど、ゲームも終盤にさしかかったとき、心の底から「やめてくれ」と言ってしまった。


手が震えていて、心臓が痛み、左手は痺れていた。もしかしたら抜け道があるんじゃないかとボタン操作を裏切ってみたり、マップを探し回ってみたり、隠しルートがないか必死に探していた。


なのに、画面には無情にもQTEのアイコンが表示される。
前作のジョエルは、この表示はなかった。殺すか見逃すか。あのシーンではユーザーの指先に委託されていた。


けれどこのゲームでは違う。


「やれ」


システムメッセージに過ぎない表示内容は、ひとつの銃口となって画面の前にいるこちら側に向いていた。




これが復讐なんだ。
腹を決めろ!!!



……で、終わってしまうのが普通だ。
けれどこのゲームは、とにかく甘えを許さない。シナリオを体験するにつれ、復讐の覚悟なんてものは似非リアリズムの思考停止で、ただ喚いて問題から逃げてるのではないかと疑念すらよぎってしまった。


ラスアス2はプレイヤーと主人公との感情の一致。これを成し遂げるために、プレイヤーから嫌われるだろう選択肢を、人気シリーズの続編で選択した。

その旅の結果を、どうか見届けてほしい。*1



【PS4】The Last of Us Part II 【CEROレーティング「Z」】

【PS4】The Last of Us Part II 【CEROレーティング「Z」】

  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: Video Game

*1:youtubeでPV見ようとしたらネタバレがサジェストされるので何も見ずに買おうね!

あやかしトライアングルは百合なのか?

いいえ、それは男女カプです。

結論が一行目で出てしまった。

ところでみなさん当然矢吹★神・健太朗先生の週刊少年ジャンプ帰還作品ことあやかしトライアングルはご覧になりましたか?

shonenjumpplus.com

こちらブラックキャット以来の単独での連載。矢吹先生本人の漫画が楽しめる!! でも今回はブラックキャットやダリフラのようなシリアスか、それともTo LOVEるのようなラブコメか!? と話題になったのは記憶に新しいですね。だよな?

そして実際に蓋を開けたら……(以下ネタバレ)




TSラブコメ!!!!!!!!




吊り目イケメンツンデレ男子が美少女にTSし、両片思いの幼なじみとの日常生活が始まる!!!
という衝撃の第一話でした。

しかし、この作品、連載開始時にこう話題になりました。


「百合か!?」


なんでやねん!!!!!!!!!


百合要素とか1nmもないじゃん!?!?!?!?!?!?!?

メッッッッッッチャクチャびっくりしたんですよ。
だってこれどう見たってTSしてるし、登場人物が現時点だと女1人、それ以外全員男です。百合になる要素がない。なのに百合認定がされている。これはいったい……?


そう、話題にしていた人は根本的に勘違いをしているのです。


外見が女同士が絡んでると百合、だと……



ち・が・う!!!
ちがう!!!!!!!


百合を猛烈に好んでるわけではない俺ですが、それでもわかります。これは百合ではない。「こんなもん百合じゃねえ!」って文脈の否定ではありません。「そもそも百合として作ってないから百合じゃない」のです。蕎麦をラーメンと言われてるようなもんですよ。そらラーメンを「中華そば」と呼称することもあるけどさぁ……。


百合の定義は別の記事に回すとして(そのうち書くよ)、主人公の要素を解体していけば百合ではなく、ハプニングラブコメであることは明白です。
これは少年漫画のラブコメや成人コミックをしらないと理解しがたい文脈を含むので、きちんと解説します。

主人公の髪色が変わるのは何故?

これは明白です。闇落ちの文脈です。

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主人公の性転換直後、髪色は黒のままです。
その後、徐々に髪色が金髪へと変化していくプロセスが描かれています。

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つまり、これは通常の性転換*1の手順を踏んでいない、イレギュラーな力の働きによって起こっている表現です。

この術をかけたのは大妖怪が悪意を持って、なのですから、これは闇落ちの文脈です。これを決定づけるのは、淫紋が出現している事実です。

男性の成人向け作品における闇落ちとはメンタルや精神性の変化ではなく、外見の変化が重要視されています。その闇落ちしたことを示す変化の記号は「髪色の変化」、「ベースカラーの黒化」、「淫紋」です。

要するに、反転です。ネガポジ反転。黒っぽくして正反対の色に髪色を変えて、淫らな要素を含めばいいのです。なぜエロにするかといえば闇落ちって……エロいから……悪=エロだから……男の脳味噌なんてそんなもんだから……。あと矢吹先生はTo LOVEるの金色の闇ちゃんで同じようなことしてるから……。


また、じゃあこれはエロラブコメとしての意味しかない設定なのか、といえばそうではありません。

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このコマを見たら判りますが、同じ髪色だった主人公と幼なじみは「主人公の女体化により対称的な存在」になっています。髪色が黒と白になっているからです。

このTS化は妖怪による嫉妬が発端です。つまり、ふたりの関係を分断するためのふたりの恋路に対する明確な試練、障害なのです。
もちろん、この作品でそんなシリアスな性の話はしないでしょう。TSはあくまでハプニングを起こし、外見と内面の性の違いによるラッキースケベを書くためのギミックです。

ただ、同時に主人公は女体化し髪色を変えることで「妖怪の術中に落ちている」「明確に幼なじみと断絶してしまった」のです。女体化はヒロインとの肉体的な距離は縮めても、精神的な距離は断絶させたのです。限りなく近く、限りなく遠い。

あやかしトライアングルでのTSは男女CPに対する最大の試練なんですよ。

まとめ

というわけで、性転換を恋愛の障害に設定している時点で、この漫画は百合ではなく男女CPを書くためのTSハプニングラブコメですよ、の解説でした。

っていうか、アレです。一言で言うとアレです。

らんま1/2

性転換で髪色が変わるTSラブコメの金字塔といえばアレの印象なので、あの作品を思い出せばあやかしトライアングルが百合ではなく男女同士のラブコメ(同性同士なのにときめく程度のことはある)であることは明白だと思うんですよね。

もちろん、あやかしトライアングルで今後主人公の精神性まで女になってくる……との展開があれば話は変わってきますが、根本的に百合ではないし、百合として書いてないから、百合云々で評するのはカテゴリーがエラーですよ。でした!

*1:通常の性転換とは……?