娯楽三昧

迷宮式娯楽三昧・全年齢版

政治ツイートにありがちなセンテンスについて

よくあるじゃないですか?
「主流意見のこの解釈はステレオタイプ! 上は無能下は有能という世界観を守りたいだけ! これが真実! ウオー!」
みたいなやつ。

政治の意見として主流なもの、たとえば、
「日本政府は無能である」
みたいな発言があったとして、
「無能っていわれてるけどこれこれにおいては良いアプローチをしている。ステレオタイプで判断する人は思考停止」
というご指摘がRTされてきたりするのあるじゃないですか?


前は「なるほど! たしかにな!」と無邪気に思っていたんですが、最近そういうのを見ると、まあそういう指摘も的を射てないなと思うようになったんですよ。
何故かと言えば、存在しない人を殴ってるからですよ。


「いや、問題とされる発言をしてる人は実在するじゃん?」と言われたら「する」んですが、糾弾される発言そっくりの考えをしている人は「いない」んですよ。
めんどくさくなってきた。


例えばですけど、こういう「主流(と思われる)政治意見に対するそれは間違った見方だ」とする発言は、それ自体が「自分は冷静に物事を見ている」という自己を正としたバイアスの上でしか言えないんですよ。だって正しくないと思ってないのに間違ってるなんて言えないから。
なので、見ている側の自分としては「そもそもこの人はこう言ってるけど、前提条件としている良いアプローチとされる行動は本当に〝良い〟のか?」となるし、じゃあ仮にそのアプローチが良いとして、ステレオタイプなどの主流意見が間違っているのは別じゃないか?となるんですよ。


この場合、主流意見の間違いを指摘するなら、「主流意見」に対する訂正や問題提起であって、「主流意見を言っている人」にしてはいけないんですよ。
そもそも人を対象にした場合、その人が内心でなにを考えているかわからないからです。


「こうして主流意見的な文句を言っているけど、別のところでは政治を評価しているけど、でもこの側面では主流意見的な解釈をして反対している」だけかもしれません。そもそも人間が発信するとき、「良いことは良いといわなきゃ!」という使命感がなければ、マイナスのことしか言いません。

たとえば通販で買ったものなんて金払ったからには良いものがくるのは当たり前と思ってないですか? だから自分は良い評価のときはよほど飛び抜けてたり「カスみたいなレビューしかねえな!」と思わなきゃ書きません。もっぱら「クソみたいなもん掴まされた!! ゆるさん!! あと犠牲者が増えないように詳細にレポートするか!!!」というときにレビューを書きます。


人間がマイナスなことを発信しているからといって、その人の内面やポジションなんてわからないですよ。もちろん表だって出てくることでしか判断できないわけですし、「この人はマイナス面ばかり表に出す人」とか「この人が表に出すマイナス面は気持ち悪い」=なので本当は良い人かもしれないけど嫌な方を目にする確度が高いので関係を置く、ということはします。そして付き合いが長かったり度がすぎたりすれば、まあこういうことばっか表に出すってことは内面もそうだろうと憶測だってできます。そういう風に人間関係は構築されます。


が、でもそれは真実ではないので。
予想の範囲でしかありません。
だから「人」を対象に揶揄してると的を外しやすく、「意見」単位で物申した方が確実に的を射られるんです。


ここで冒頭に立ち返ると、
「たしかに問題としているステレオタイプなことを言った人はいたかもしれない」

「そのステレオタイプを思考停止で選んだかどうかは別である」
となるわけです。


だから自分は、こうした母数の多い主流意見に対する反対の見方を提示しつつ、なにも考えてないから主流意見を言っているのだと「断定」するのは、それこそが危険な理屈だよなーと思うわけです。
可能性の示唆や「主観として自分はこう〝思っている〟」ならとやかく言われる筋合いはないものの、「思考停止だぞ」とかになったらそれは「客観的真実」になってしまうので。


結局のところ、大勢の気づいていない真実を指摘してやる! という文脈で断言をしてしまうと、ストローマン論法の言い換えのような論理展開になってしまうので危険だし、こういう発言を「そういうのもあるのか」といった視点のひとつとしてではなく、検証と精査もなく「事実」として受け入れてしまうと、後出しジャンケンの理論をすぐ信じ込んでしまい危険が危ない。


出典のない発言なんて検証の手間がかかりすぎるし、だからせめてTwitterなんて媒体で政治発言をするならみっともないくらいに連ツイするしかないんだが、政治駄目だしをするときや反論を横からスッとするインターネッツマンは断言が多い。俺は断言で人を切るのは辻斬りめいて気持ちいいからやっていると思ってるし、複数行書いて突き詰めるとボロがでるから誤魔化してるかのどっちかだと思ってるよ(お手本のような逃げ)。


というわけでTwitterなんて短文メディアではどうしても意見の言い合い(クソの投げ合いともいう)にしかならずなんら会話が成立しないのでやるだけ無駄で、鬱憤晴らしに話題に触れたり信頼できる理性を持ったもの同志で長々と意見交換をしあうくらいしか無理だと思うのだが、わざわざ政治系と銘打ってツイートしてる人は無駄骨なのでやめりゃあいいのにひとりで煮詰まってるだけだよね、という感じでしたとさ。
主流意見を切る!とかやってても仮に話題にしたところでは優秀かもしれないけど別のところではイメージ通りかもしれないので、そういった局所的なところの話しかできないのでな。

にしても政治の話題、
専門分野があったり一部に限定して活動したり「国や政治家を動かしたりするゴール地点」のある人(政治家だったり経済家だったり記事を生業にしてたり)がやるのは一貫性もあり参照性もあり目的地も明確だから無駄とは思わんが
匿名アカウント(つまり一般的ツイッタラー)の政治アカウントがほとんどの、単にヒートしてバトるオチしかないからなにからなにまで徒労で見てて悲しくなるよな。


たまに気になる話題に反応するくらいの一般的趣味アカウントで生きた方が時間が有益ですよね。
ちなみに自分は日本の経済政策はマジでウンコすぎるし寝言かよって思うしワクチンの接種のさせ方も手際悪すぎかよ、と思うけど全国民摂取の目処自体はたちつつ死者が抑えられてるのはいいよねくらいのスタンスです。それはともかく金はくれ。
そんでこの発言でもステレオタイプとそうじゃないところが同居するんだから、一部を切り取って「ステレオタイプ思考停止!」っていえるから無意味なんだよなこの論法はー。他人の気づかない真実を指摘するムーブはやりはじめると快楽だからマジで気をつけた方がいいぜー。